札幌 西区 ピロリ菌 除菌 専門外来サイト | かなや内科クリニックでは、ピロリ菌の除菌による胃がんの予防に力を入れています。

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ピロリ菌ってどんな菌?

ピロリ菌は、幼少期に人の胃に住み着き、将来胃がん等の原因になることが分かっている怖い細菌です。ピロリ菌のいる人はピロリ菌のいない人の約20倍胃がんになると言われていて、日本人の胃がんの人100人のうち99人以上がピロリ菌感染者です。

ピロリ菌ってどんな菌?

ピロリ菌はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の俗称です。
ピロリ菌は人の胃の中に生息する病原細菌で、長さ3~5μm幅0.5μmで、2~3回ねじれた“らせん形のグラム陰性菌”です。4~6本のしっぽのようなをもっていて、この鞭毛を使って胃の粘膜の中を自由に泳いで胃のどこにでも移動します。

まだ胃酸分泌が不十分な乳幼児期に
CagAという武器を使って胃の粘膜に強固にくっつき、除菌しない限り生涯胃の中で生息し続けます。このCagAというタンパク質性毒素によって胃の粘膜を攻撃し続け、徐々に萎縮させて胃がんが発症すると言われています。
特に日本にいるピロリ菌は、このCagAの作用の強い強毒型といわれ、日本人の胃がんの99%はこのピロリ菌が原因とされています。 
1979年にオーストラリアのウォーレンという医師が胃の中のらせん形の菌を発見して、その後マーシャルという若い医師が1982年に世界で初めて培養に成功したので、まだ発見されてから歴史の浅い菌です。

“ピロリ菌”の名前の由来

名前の由来は、分離培養された胃の前庭部(pylorus)に炎症を起こすらせん形の細菌(Helicalなbacteria)という事で、「Helicobacter pylori」と名付けられましたが、その後、胃のどこの部位にも生存することが分りました。

“ピロリ菌が生きていける理由

ピロリ菌は、胃粘膜や胃粘膜上皮の薄い粘液層に、CagAという毒素を使って強固にくっつきます。ピロリ菌は胃に生息しますが、実は酸にとても弱く、自身がウレアーゼという酵素を産生して、胃粘膜の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解することで、菌体の外側に弱アルカリのアンモニアのバリアを作って胃酸を中和して自身の身を守っているので、胃酸の降り注ぐ厳しい環境下でも生き続けられのです。

ピロリ菌はいつどのように感染するの?

“ピロリ菌”は口から感染する

ピロリ菌の主な感染経路は、口からの経口感染といわれています。
 感染時期は主に幼少期(5歳以下、特に2~3歳までの乳幼児期)に感染します。先に述べたようにピロリ菌は酸にとても弱く、胃酸のなかでは生きられません。そのため、胃酸の分泌がまだ不十分な幼少期に感染すると胃の粘液層に潜り込み、除菌しない限り生涯にわたり持続感染するのです。このことは、胃酸の十分に分泌されている成人になってからは、一度除菌をするとピロリ菌に再感染することがほとんどない事を裏付けるものです。かつての不衛生な時代は井戸水などからの経口感染等の環境因子が問題でしたが、現在の日本のような先進国では、ピロリ菌感染は幼少時期における家庭内感染が8割以上を占めると言われ、特に母親からの母子感染が主体で、それから父親からの父子感染が考えられます。
しかし、現在幼小児の親世代は感染率が低くなり、むしろ今後は感染率の高い祖父母からの経口感染が問題となるでしょう。

年代によっての違い

 年代別でいうと幼少時期に不衛生な生活環境だった高齢者ほど感染率が高く、おじいちゃん・おばあちゃんから赤ちゃんへの口移しは特に注意が必要です。ですから、ピロリ菌検査は同居する両親・祖父母も同時に検査を受けることをお勧めします。
 成人以降の方では、幼少時期に井戸水等の環境であったり、ご両親が胃がんであったり、ピロリ菌感染者であったりした場合は、自分も感染者である可能性があるので、ぜひ一度医療機関にご相談して下さい。
ピロリ菌は胃酸が十分にでている成人以降での感染は、前述した理由でほとんどありませんので、夫婦間や中学生以上のお子さんがいる家庭での家族内感染はほとんど心配いりませんのでご心配はいりません。
現在は、中学生以降での初感染はほとんどないといわれております。

日本人のピロリ菌の感染率

3人に1人はピロリ菌に感染している

現在ピロリ菌に感染している人は、日本ヘリコバクター学会ガイドライン2016によると、日本人の約35%、3人に1人がピロリ菌に感染していることになります。2017年の日本の人口は 1億2680万人なので、約4400万人が感染していることになります。(近年毎年約150万人が除菌されて、最新の報告では、ピロリ菌感染者は約3500万人まで減少したと言われています

現在の年代別感染率は

60歳以上:50%以上  35~45歳:約20%  20代~35歳:約10%  10代:約5%

と幼少時期の生活環境、特にインフラ(上下水道)の整備等によって大幅に低下しています。
しかし団塊の世代である65歳以上の感染率はいまだ50%以上と言われています。
(胃がんの年齢階級別がん罹患率推移:がん情報サービス:50歳を越えて60歳以降に急激に胃がん罹患率が上昇し、死亡率も同様の傾向がある)
高齢者ほどピロリ菌感染者が多いのは、年をとるごとに感染の機会が増えるためではなく、幼少時期の衛生環境が悪く、上下水道が完備されていなかったことが原因とされています。

ピロリ菌と胃がん

胃がんの原因の99%はピロリ菌

2016年に改定された日本ヘリコバクター学会のガイドラインでも、新たに“胃がん予防”の項目が追加されたように、ピロリ菌除菌の最終目的は“ピロリ菌を除菌する事によって胃がんを撲滅する”ことにつきます(厳密にいうと1%以下に減らす)。
 ピロリ菌感染者の胃がんのリスク(発症率)は、感染していない人に比べて20倍以上といわれています。タバコは肺がんの原因として有名ですが、タバコを吸っている人はタバコを吸わない人に比べて約4倍肺がんになると言われていることを考えると(国立がん研究センター予防研究グループ)、20倍という数字がいかに高いかお分かりでしょう。
日本ではピロリ菌に感染していない人の胃がんは、1%以下といわれていますから、日本人の胃がんはピロリ菌が原因の感染症といっても過言ではありません。
幼少時期にピロリ菌に感染すると、100%の人が慢性活動性胃炎となり、長期間持続感染することで、胃の粘膜の萎縮の進行とともに胃がんのリスクは高くなります。
 ピロリ菌による胃がん発症機序は、ピロリ菌のもつCagAという毒素が胃の粘膜上皮に注入され、長期にわたり攻撃を続けることで胃の粘膜が萎縮して、がん化していくためといわれています。ですからピロリ菌は、萎縮が進行する前のできるだけ早い時期に診断して除菌をするほど、それだけ胃がんの発症の予防効果が高くなるのです。ピロリ菌の第1人者である浅香先生によると20歳代までに除菌すると、将来の胃がんの発症をほとんど予防できるとされています。しかし、70歳以上でも胃がんの予防効果は有効とされていますので、いくつであってもピロリ菌の検査をうけて、もしピロリ菌に感染していたら、ぜひ除菌治療を行ってください。

ピロリ菌と慢性胃炎・萎縮性胃炎・胃がん
ピロリ菌に感染すると100%慢性胃炎になる?

ピロリ菌に感染すると、100%”慢性胃炎”すなわち”慢性活動性胃炎”になります。
これは”組織学的胃炎”と呼ばれるもので、幼少時に感染して、何十年もの長い時間をかけて、胃粘膜に炎症を起こし続けます。そして胃の粘膜の萎縮(老化)が進み、萎縮性胃炎となって胃がんの発症リスクが高くなるのです。

ピロリ菌に感染していない人の胃は70歳になっても胃粘膜は萎縮せず、若い時の状態を保っています。つまり、萎縮性胃炎の萎縮とは加齢によるものではなく、ピロリ菌に長期間感染することによっておこる胃粘膜の変化なのです。

胃炎から萎縮性胃炎へ進むと、分化型胃がんのリスクは高まりますが、胃炎が胃粘膜全体に及んでいる時期で萎縮する前の時期に発症する未分化型胃がんもあることが分かってきました。

ピロリ菌を除菌することで、大部分の萎縮性胃炎の進行が止まり、萎縮が改善することがわかっており、ピロリ菌による慢性胃炎や萎縮性胃炎に対しては胃がんを予防するためにピロリ菌の除去を強くお勧めします。

特に萎縮が進まない早い時期に(=若い時期に)除菌すれば、それだけ胃がん発症の予防効果は高いため、除菌治療はできるだけ若い年代にすることをお勧めするのです。
ただし、ピロリ菌感染による慢性胃炎は、幼少時期からの長期間の変化にのため、胃痛等の自覚症状はあまりなく、検診などで疑われて初めて診断されることが多いのです。

しかし、よく症状を聴くと、子供のころから胃がもたれていた等の”心当たり”があることが多いのです。ですから、そのような症状の”心当たり”がある方はできるだけ積極的に医療機関に行って、内視鏡検査を受けるべきです。

ピロリ菌除菌の適応疾患ってなにがあるの?

保険診療でピロリ菌の検査を受けるためには、まず内視鏡検査を受けなければなりません。そして、内視鏡検査で慢性胃炎と診断されピロリ菌感染が疑われた場合にピロリ菌の検査を受けることができるのです。胃バリウム検査で胃炎があり、ピロリ菌感染を疑われても、バリウム検査だけではピロリ菌検査は保険で受けることはできず、結局は内視鏡検査を受けなければならないため、私は始めから内視鏡検査を受けることをお勧めします。それにやはり内視鏡検査の方が微小な胃がんを発見するのに優れており、保険適応上からも胃がんの早期発見の意味からも、私は内視鏡検査をお勧めします。私自身は迷わず内視鏡で検診を受けています。私は目の前の患者さんが常に“自分の家族だったら”と考えて診療を行っていますので、当然皆さんにも内視鏡検査をお勧めします。

ピロリ菌除菌治療の保険適応疾患は以下の5つです。

①ヘリコバクターピロリ感染胃炎
②胃潰瘍・十二指腸潰瘍
③胃MALTリンパ腫
④特発性血小板減少性紫斑病
⑤早期胃がんに対する内視鏡的治療後の胃

ピロリ菌の事を詳しく知ってもらいたい

ピロリ菌感染がいかに多くの病気に関連しているか、おわかりでしょう。
ですから、いろいろな意味でもピロリ菌に感染していたら、私が除菌をお勧め勧めする理由がおわかりでしょう。

ただ、このサイトで私が皆さんに伝えたいのは、皆さんに一番身近な慢性胃炎が2013年2月21日にピロリ菌除菌の適応疾患になった事です。実際これにより、ピロリ菌感染者のほとんどが除菌治療の対象となったのです。 ですから、私はこのサイトで皆さんにピロリ菌の事を詳しく知ってもらい、一人でも多くのピロリ菌感染者(日本人の3人に1人)が検査を受けて、除菌することで、胃がんのリスクを減らし、最終的には日本から胃がんを撲滅することを願っています。

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